いとをかしき20世紀美術

いとをかしき20世紀美術

現代アートってなんぞやっていう何も分からない自分のためにあるような超入門本。
どういうスタンスで読むかは読者の気分次第で好きな部分だけ読めばいい気がする。

個人的にはマンガやゲームの大衆娯楽の表現に通ずるものを感じて面白かった。


マルセル・デュシャン

  • 便器のアート「泉」

初期抽象画Ⅰ

  • カンディンスキーの色彩分析、形の考察

シュルレアリスム

  • ダリの記憶の固執 違うものの特性の掛け合わせ

抽象画Ⅱ

  • 平面的な絵画
  • 写真の登場により写実より新しい表現を求めた

ポップ・アート

  • ウォーホルのマリリンモンロー、尾形光琳の光琳梅

コンセプチュアル・アート

  • ソル・ウィット 美しさよりコンセプトを重視

ランド・アート/環境アート

  • 茨城とカリフォルニアの傘など

抽象画Ⅱの平面的な絵画のくだりでこんな流れがあった。

『たとえば物語の1場面を描いた絵はたくさんあるけど「物語を伝える」という点では文学の方が表現として適しているよね』
『だから物語は絵画が真に表現すべきことではない』
『同じように遠近法を使って空間を表現しても写真には劣る』
『立体感は明暗で表せるけどそもそも立体感を出したいなら彫刻を作れば良いハナシ』

絵画にしかできない表現とは?
マンガやゲームはまさに絵と文字で物語の表現を行っており、空間を表現する方法も遠近法についてあえてウソを書く手法があったりとかするんだよね。
そういうのも写真では表現できないもので、普段触れている娯楽も工夫された表現の集合なのだなあと改めて実感する。

アートという観点ではマンガ的なCGイラストの表現も今は洗練されており、プロでなくても素晴らしい表現ができるようになっている。
表現方法を追求した現代アートが積み上げてきたものが大衆化しているのはとても良いね。(テーマが大衆化しているかはまた別だけど)

マンガにはある程度のルール(絵と文字とコマ割りで構成する等)がまとまっているのでそういう意味では五七五の俳句のような文学的な側面もあるのかな。アートはそういうルールが一切ないもんね。

いとをかしき20世紀美術
筧菜奈子 (著) 2022/12/21
2026/03/22 読了